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ペットロスという言葉が日本に紹介されてから、まだ数年しかたっていません。一般に使われるようになったのはここ1年くらい前で、日本の現場ではまだ事例の調査も研究も手つかずであり、ケアのためのサービスもほとんどないような状態でした。ようやく1996年の11月に「ペットロス110番」のホットラインが開設されました。全国からたくさんのペットロス相談の電話が寄せられるようになりました。ペットロスは、実際にとても新しい言葉でした。ペットの死別の研究は1977年、イギリスの精神医学の雑誌に3例の症例報告として載せられたのが最初だということです。
その後70年代の終わり頃から、英語圏の一部の関係者によってペットロスという言葉が使われるようになりました。欧米では80年代に研究が進められていて、一般の人にも読みやすいガイドブックが1982年に出版され、専門書も出ています。獣医師を養成する大学などでは、授業の一部として組込まれているテーマであると聞きます。また現在、全米各州には専用のサポート・ホットラインが設置されていて、ペットロス・カウンセラーがその対応にあたっているのだそうです。
ちなみに日本では、ようやく一部の獣医大が、ペットロスの講義を授業に採用する動きを見せている段階のようです。その背後には、ペットをなくした人の心を救おうという考え方自体がまだまだ社会的に浸透していないという現実があります。最近、雑誌やテレビなどのメディアで「ペットロス」という言葉を耳にすることが多くなりました。ペットロスとは「ペットとして飼っていた動物を失う体験の総称」ですが、今の日本では「ペットロスによって引き起こされる人間の症状」を示す言葉として使われていることが多いように感じられます。
いったい「ペットロス」とは何なのかを調べてみようと思っても、日本の本屋ではそれをきちんとわかりやすく説明してくれる本を見付けることはできないようです。横文字の言葉だけが先行して知られているものの、その内容をきちんと説明できる人はほとんどいないという、誠にありがちな新種外来語の輸入パターンのようです。「ペットロス」イコール「ペットが死んでしまい悲しみにくれて普通の生活ができなくなってしまうような状況のこと」と勝手に解釈してもいいのかもしれないが、これが正しいのかどうかはよくわからないのが正直なところです。